report活動レポート

2023年度 夢アイスプロジェクトの報告まとめ

こんにちは!田中れいかです。

2023年から新しい取り組みとして「夢アイスプロジェクト」をスタートしました。

夢アイスプロジェクトとは、子どもたちが自分の夢を表現をすることで、夢の実現に向けての第一歩を踏み出すきっかけをつくることを目的にしています。

さらに、大人と一緒にアイスクリームを食べながら楽しい時間を過ごすことで、施設で育った先輩たちとのつながりをつくり、子どもたちの自己肯定感を高めることを目指しています。

初年度は活動をするのにいっぱいいっぱいで個別のレポートを書けなかったのですが、訪問した様子を一つにまとめてご紹介します。

  • 活動実績|出会った夢の数
  • 8月23日|児童養護施設あおぞら(大阪府)
  • 8月23日|児童養護施設あんだんて(大阪府)
  • 8月24日|児童養護施設岸和田学園(大阪府)
  • 8月30日|児童養護施設二葉園(兵庫県)
  • 8月31日|児童養護施設飛鳥学院(奈良県)
  • 9月3日|児童養護施設高鷲学園(大阪府)

活動実績|出会った夢の種

  • こどもの夢:178人分
  • 大人の夢:42人分
  • 訪問施設数:6施設

本プロジェクトは 一般社団法人今井光郎文化道徳歴史教育研究会 の助成金をもとに、進学応援プロジェクトの周知事業として活動しております。進学応援プロジェクトの意義を理解し、周知事業として活動を支えてくださりありがとうございます!

8月23日|児童養護施設あおぞら(大阪府)


写真を撮り忘れていたので使い回しです…
窓口となってくださった西田施設長(一番左)

  • 児童養護施設 あおぞら
  • ホームページ▷https://aozora-kids.net/
  • こどもの参加:40名
  • 職員の参加:10名
感想
幼児さんから高校生までが生活をしているあおぞら。各ホーム順番にホールに集まって、夢アイスプロジェクトを実施しました。

中でも印象的だったのは「ニートになりたい」と書いた中学生の男の子。それを見た時は「なんでニートになりたいの?」「ニートも素敵な夢だよ」としか言えなかったのですが、職員さんから話を聞くと家族関係が関わっていたそうで。

詳しくは書けないですが、「教育熱心な親御さんの声かけから解放されたい思いが現れたのかもね」という内容で、こどもの心の声が夢にも現れるんだなぁと、このプロジェクトの違った意義を体感することができました。

8月23日|児童養護施設あんだんて(大阪府)


写真を撮り忘れていたので使い回しです…
窓口となってくださった前田施設長

感想
あんだんてには施設内にカフェスペースのような空間があり、そこで夢アイスプロジェクトを実施。
机の広さが約6~8名ほどのスペースだったので、それぞれの画用紙が目に見える範囲で、個々の夢に耳を傾けることができました。

夢の中には「霊媒師になりたい」という男の子や「警察官になりたい」という女の子、「絵を描く仕事がしたい」という女の子がいました。

写真にあるように、イラストがとっても上手な中学生がいて「人を笑顔にしたい」という思いを文字に私は心がグッと惹かれました。「これまで笑顔になれなかったことがあったのかな?」「笑顔にしたい人がいるのかな?」などなど、想像が掻き立てられました。

8月24日|児童養護施設岸和田学園(大阪府)

感想
夏休み中ということもあり、その時間にいる子たちだけで実施。
もともと少人数のかかわりが好きな私にとっては、一人一人の子と話ができる和やかな時間を過ごすことができました。

当日は永野良子施設長が一緒に夢を聞いてくださったのですが、「先生みたいになりたい」という女の子が。その光景を見て、日頃から施設長とこどもたちがどのようにかかわっているのかが現れる時間でした。

「こんな大人になりたい!」が近くにいる環境って、とてもステキだなぁと思いました。

8月30日|児童養護施設二葉園(兵庫県)

 

感想
これまで10~15名を1グループとしてこじんまりと実施してきた夢アイスプロジェクト。二葉園では初めて「施設のみんな全員集合型」で実施しました。

こどもたちから教えてもらった夢をメモしているのですが、二葉園では「ツアープランナー」「キックボクサー」「海賊王」「警察官になる」といった多様な夢が出てきました。

中には、こどもの心の声が現れる夢もあって、「おうちに帰りたい」という言葉を書いてくれた小学生もいました。この内容については職員がフォローする必要がある案件なので、周りにいた職員さんと共有しながらこどもの声を受け止めました。

「おうちに帰りたい」という夢、みなさんならどう反応しますか?

 

8月31日|児童養護施設飛鳥学院(奈良県)

窓口になってくださった竹島先生と↑

感想
元気な竹島兄ちゃん(飛鳥学院では先生ではなく兄ちゃんと言うそうです)の進行のもとでスタートした夢アイスプロジェクト。

「高校を卒業する」「オール4になる」といった学業に関する夢や、「おばけ克服」「宇宙からお菓子を落とす」といったこども視点の夢まで、実に多様な夢を教えてもらいました。

「おばけ克服」と書いた小学生の男の子は、ソッと近くに寄ってきてくれて「ここにはな、おばけが出る部屋があんねん(関西弁)」と言って、その部屋を見せてくれました。詳細は書けませんがこどもたちの中では周知の事実なようで、日頃の生活を近くに感じました。

そう言えば私の施設でも「施設の謎」みたいなのがあったなぁと懐かしい気持ちになりました。

 

9月3日|児童養護施設高鷲学園(大阪府)


↑窓口となってくださった岡出施設長(左から2番目)

感想
2023年度、最後の訪問は高鷲学園さん。この日を迎えるまでに100名近くの夢に出逢ってきましたが、この日は個人的にとっても忘れられないできごとががありました。詳しくは個別の記事で紹介したいと思います。

高鷲学園では後半に来てくれた中学生の男の子たちとゆっくり話しながら進行することができました。その中で「コンビニ店員になりたい」という子がいて、「コンビニならどこ派?」と、職員さんも交えてわいわい話しました。

すると、コンビニといっても、何がどう違うとかわからないし、推しのコンビニがあるわけではないとのことだったので、夢の解像度をあげるためにもコンビニトークを広げていったところ、最終的に「ファミアがいい」という結論に。

何気ない会話の中でも、こどもたちの中にあるイメージを変えたり広げたりできるお手伝いができるんだなぁと、施設職員の良さを感じる時間でした。

 

活動を終えて

夢アイスプロジェクト」を通して、こどもたちの夢に触れる機会を持てたことは、なりたい自分を応援する私たちにとって、とても貴重な経験でした。

こどもたちの純粋な「なりたい」という気持ちには大きな力があり、それを聞く私たちも自然と心が弾み、わくわくしながら活動に取り組むことができました。

一方で、「おうちに帰りたい」という切実な思いを語るこどもたちには、生活の中で抱えているさまざまな悩みや不安を垣間見ることができ、その脆さと向き合うことの大切さも改めて感じました。

このプロジェクトを通じて、こどもたちがもつ強さと脆さの両方に触れられたことは、単に夢を共有する場にとどまらず、職員がこどもたちの本音を聞くための新たなきっかけとしても意義深いものだったと感じています。

この経験を踏まえて、これからも第三者の私たちだからこそできることを考え、アクションしていきたいと思います。

今年度、本プロジェクトを支えてくださった 一般社団法人今井光郎文化道徳歴史教育研究会のみなさま、ありがとうございました!

 

一般社団法人ゆめさぽ
代表理事 田中 れいか

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