report活動レポート

児童養護施設 聖家族の家(大阪市)で夢アイスプロジェクトを開催しました!

こんにちは!田中れいかです。

今年も始まりました、「夢アイスプロジェクト」。

昨年は6施設訪問させていただき、こどもたち178名の夢に触れることができました。

私も事務局スタッフも楽しみにしている活動の一つで、今年も実施することができて嬉しい気持ちです。「ついにこのシーズンが来た!」みたいな(笑)

今回は、施設研修等でご縁があった、聖家族の家さんにおじゃましました。簡単にではありますが、当日の様子を報告させていただきます。

昨年の様子はぜひ〈こちら〉をご覧ください。

 

施設紹介

↑窓口となってくださった牧田施設長(写真一番右)

 

当日の様子

↑施設長の夢が気になるこどもたち

今回訪問させていただいたのは大阪市にある児童養護施設 聖家族の家。施設全体の定員が148名と非常に多いのが特徴です。

ホームページによると、本園の定員が118名。地域小規模児童養護施設が6ヵ所あり、それぞれ5名ずつ生活をしているようです。

当日は本園にこどもと職員さんが約40名ほど集まり、夢を聞く時間を過ごしました。

一部にはなりますが、こどもたちとの会話を紹介します!

女の子「ソン・ガンに会いたい!」

れいか「え、ソン・ガンって誰?」

女の子「マイ・デーモンとか出てる人!」

れいか「韓国ドラマ好きなんだけどわからないなーあとで調べてみるね」

 

男の子「(無言で渡す)」

れいか「お!サッカー選手!」

    どのポジションなの?

男の子「ホワード」

れいか「え!すごいじゃん!」

 

女の子「みんなに見せないで…」

れいか「わかったよ。こっそり見るね」

女の子「(目を合わせて頷く)」

れいか「とっても素敵な夢だね!

    応援してるよ!」

 

男の子「画家」

れいか「何で描いてるの?」

男の子「鉛筆」

れいか「上手な人は鉛筆で描くって聞いたからすごいね!なれるなれる!」

この日は、夢シェアタイムと称して、みんなの前で夢を発表する時間を設けました。

すると、最初は恥ずかしそうだったこどもたちも、「〇〇ちゃんが言うなら…」「△が行くなら…」と言う感じで、次々に前に出て発表してくれました。

真夏の暑い日でしたが、誰の夢も否定せず、応援の気持ちを拍手で送る時間は、小さな奇跡が連続する瞬間のようでした。それぞれの夢に対する純粋な思いや、拍手を受けたこどもたちの嬉しそうな表情は、会場全体を温かな空気で包み込みました。

一人ひとりの夢が語られるたびに、そこにはその子らしさや未来への希望が垣間見え、聞いている私たちも自然と笑顔になりました。このような応援の輪が広がることで、こどもたちが「自分の夢は大切にしていいんだ」と感じ、自信や勇気を得るきっかけになったと感じています。

拍手が響き渡るその空間は、夢を共有し合う仲間の絆を深める場であり、こどもたちと一緒に未来を描く素晴らしいひとときでした。

 

おうち見学

そのあとは牧田施設長のお心遣いで、本園と地域小規模児童養護施設を見学をさせていただきました。

そこで聞いた話によると、聖家族の家は戦後間もなくユニット制を採用。合わせて、分園型の施設運営をしていたそうです。この取り組みは今でこそ国が推進している形態になりますが、それより前から家庭的な環境で生活することを勧めていたことを知り、養育者の想いは時代に関係なく重要であることを実感しました。

おうち見学では、より近い距離でこどもたちと会話をすることができました。

夢用紙に「ソン・ガンに会いたい」と書いた女の子からスマートフォンで写真を見せてもらったり、夏休みの宿題に取り組む小学生の絵を見たり、漫画『五等分の花嫁』の最新映画について教えてもらったりしました。

私たちがお部屋を訪問したとき、本体施設の子どもたちはお昼ご飯を食べている最中。ですが、お客さんが来たということもあり「私の部屋みていいよ」「私は汚いからダメダメ」などなど、小学生の女の子たちが次々に発言。

本人に許可を得てお部屋に行くと「このキャラクター何かわかる?せいかーい!」「(机に置いてある写真を見せながら)これ、私のお兄ちゃん」など、短い時間でしたが子どもたちの生活の様子に触れることができました。

ただ、次々に発言する女の子がいる一方で、人見知りだという中学生の男の子も。

その子は女の子たちが話している間、椅子に座りながら目線はずっと下。何か話題を作ろうと、コップに印刷してあるキャラクターをきっかけに話しかけてみましたがノーリアクション。周りの女の子が代わりに説明してくれたので、本人の声は聞けませんでした。

やはり初対面の人に話しかけられて嬉しそうに会話をしてくれる子ばかりではないよな、と少し反省しました。

ですが、私たちが車で帰るとき。なんと、その男の子の姿が。車の近くではなく、車からギリギリ見えるところに立ってくれていたのです。その姿を見た時は、立ち位置がその子らしいなと思ったのと同時に、少しだけ私の声が届いていたのかなと思う瞬間でした。ちゃんと見ていたよ、君のこと。

感想

夢アイスプロジェクトは2023年から始まり今年が2年目。1年で100名以上の夢に触れてきましたが、聖家族の家で印象的だったのはスポーツ選手を志望する子が多いこと。

柔道、水泳、サッカー、野球など、日頃から身体を動かしている子が多いこともあって、子どもたちの目がキラキラと輝いていました。

「オリンピックに出たい」「プロ野球選手になりたい」という力強い夢を語る子もいれば、「学校の大会で優勝したい」と具体的な目標を教えてくれる子もいました。それぞれの夢には、日々の努力や挑戦が詰まっていて、その真剣な思いに私たちも心を動かされました。

また、夢を語る場を通じて、「普段あまり人前で発言をしない」という子どもたちとも自然に会話が生まれました。「今度、練習試合があるんだ」「この前、試合で褒められたよ」と、夢の話をきっかけに少しずつ彼らの生活の様子や気持ちに触れることができました。こうした小さなやり取りが、子どもたちの信頼を築く大切な一歩になるのだと感じました。

今年もこうして夢アイスプロジェクトを実施させていただいていますが、このプロジェクトは単に夢を聞いてアイスを食べる以上の価値があると思っています。

それは、子どもたち一人ひとりの夢を応援するだけでなく、こどもたちの日常や心の内側に触れる機会をもらえることです。私はこの瞬間が好きで、できるなら継続して続けたいと思う取り組みの一つです。

これからも施設等で暮らすこどもたちが「なりたい自分」に向かって一歩ずつ進んでいけるよう、温かく寄り添いながら活動を続けていきたいと思います。

 

一般社団法人ゆめさぽ
代表理事 田中 れいか

寄付について

寄付の金額や方法、申し込みに関して詳しくは『こちらのページ』をご覧ください。