2024年度 夢アイスプロジェクトの報告まとめ
こんにちは!田中れいかです。
2023年から新しい取り組みとしてスタートした「夢アイスプロジェクト」。
2024年も施設等で暮らすこどもたちの受験料を助成する「進学応援プロジェクト」の周知事業として、夢アイスプロジェクトを実施することができました。
こちらの記事では、2024年度のまとめという形で簡単に紹介させていただきます。
夢アイスプロジェクトとは?
子どもたちが自分の夢を表現をすることで、夢の実現に向けての第一歩を踏み出すきっかけをつくることを目的にしています。さらに、大人と一緒にアイスクリームを食べながら楽しい時間を過ごすことで、施設で育った先輩たちとのつながりをつくり、子どもたちの自己肯定感を高めることを目指しています。
- 活動実績|出会った夢の数
- 8月5日|児童養護施設聖家族の家(大阪市)
- 8月23日|児童養護施設海の子学園入舟寮(大阪市)
- 8月24日|児童養護施設旭学園(和歌山県)
- 8月30日|児童養護施設守山学園(滋賀県)
- 活動を終えて
活動実績|出会った夢の種
- こどもの夢:98人分
- 大人の夢:30人分
- 訪問施設数:4施設
本プロジェクトは 一般社団法人今井光郎文化道徳歴史教育研究会 の助成金をもとに、進学応援プロジェクトの周知事業として活動しております。進学応援プロジェクトの意義を理解し、周知事業として活動を支えてくださりありがとうございます!
8月5日|児童養護施設聖家族の家(大阪市)
窓口となってくださった牧田施設長(一番右)
- 児童養護施設 聖家族の家
- ホームページ▷https://seikazoku.com/seika/
- こどもの参加:30名
- 職員の参加:10名
柔道、水泳、サッカー、野球など、日頃から身体を動かしている子が多いこともあって、子どもたちの目がキラキラと輝いていました。
「オリンピックに出たい」「プロ野球選手になりたい」という力強い夢を語る子もいれば、「学校の大会で優勝したい」と具体的な目標を教えてくれる子もいました。それぞれの夢には、日々の努力や挑戦が詰まっていて、その真剣な思いに私たちも心を動かされました。
また、夢を語る場を通じて、「普段あまり人前で発言をしない」という子どもたちとも自然に会話が生まれました。「今度、練習試合があるんだ」「この前、試合で褒められたよ」と、夢の話をきっかけに少しずつ彼らの生活の様子や気持ちに触れることができました。
こうした小さなやり取りが、子どもたちの信頼を築く大切な一歩になるのだと感じました。
8月21日|児童養護施設海の子学園入舟寮(大阪市)
↑窓口となってくださった芝嵜先生
- 児童養護施設 海の子学園入舟寮
- ホームページ▷ https://uminoko.org/
- こどもの参加:38名
- 職員の参加:8名(うち実習生2名)
周りの声に耳を傾けながら揉まれて過ごす日常。誰かに持ち上げてもらったり、ふざけ合いの中で築かれる関係性。それが、子どもたちの多様な人間関係を育む土壌になっているのだと実感しました。
令和の児童養護領域では、このような空気感が少しずつ失われつつある中で、施設全体で子どもたちを育む良さを改めて強く感じることができました。
夢を聞くプロジェクトとしての活動が、単なる夢の共有に留まらず、こうした子どもたちの姿や心に触れる機会になっていることにはいつも驚かされます。
アイスを片手にした中高生女子との結婚トークも、とても印象的な時間でした。このような自然で温かい交流の中にこそ、大切な何かが隠れていると気づかされました。
9月23日|児童養護施設旭学園(和歌山県)
↑窓口となってくださった城村施設長
- 児童養護施設 旭学園
- ホームページ▷ https://wsj-kyoukai.or.jp/asahi/
- こどもの参加:30名
- 職員の参加:6名
↑この日は書道家の近藤麗(うらら)さんも来てくださいました◎
この日に触れた夢は、「いつも行っている病院の先生が優しいから」という理由で「病院の先生になりたい」という女の子や、恥ずかしながらも「警察官になりたい」と教えてくれた男の子たちの夢。照れ屋さんが多いように感じましたが、個別に話を聞いていくとこっそり教えてくれる子も多く、繊細でやさしい子が多い印象を受けました。
今年度から力を入れている夢シェアタイムは、こどもも大人も両方から発表してもらうよう声かけ。すると「〇〇さん喋ってー」と、ご指名される職員さん。恥ずかしそうに話す姿を見て「夢を話すのって大人も恥ずかしいんだよなぁ」と当たり前なことに気付かされました。
こうした機会を通して、こどもたちと職員さんとの関係に深まりができたら嬉しいなぁと思います。
9月28日|児童養護施設守山学園(滋賀県)
- 児童養護施設 守山学園
- ホームページ▷ https://moriyama-gakuen.jp/
- こどもの参加:20名
- 職員の参加:6名
この日も書道家の近藤麗(うらら)さんが来てくださったのですが、綺麗な字を書く姿を見て「私の名前も書いて〜」とぷち行列に。美しいものに触れることも、感性が高まって良いことだよなぁと感じました。
これは後日教えてもらったのですが、小規模児童養護施設で生活をするこどもたちにも画用紙を渡して、夢を書いてもらう時間を設けてくださったそうです。その様子のお写真も受け取り、とっても丁寧に進めてくださったことへの感謝の気持ちが湧きました。ありがとうございました!
活動を終えて
実は今年の夢アイスプロジェクト、1年目以上にバタバタした活動となりました。施設のみなさんには、訪問に際して十分な調整期間を設けられないことも多く、大変ご迷惑をおかけしたと思います。
それにも関わらず、これまでの活動で築いてきた信頼関係のおかげで、職員のみなさんに多大なご協力をいただき、2年目も無事にプロジェクトを終了することができました。本当にありがとうございます。いつも見守り、応援してくださるみなさんの温かさに心から感謝しています。
活動中、職員の方から「今年度、ゆめさぽさんの申請します」というお声をいただいたり、「この人がゆめさぽの田中さんやで」と紹介していただく場面もありました。その瞬間、子どもたちの少し恥ずかしそうだけど嬉しそうな表情を見て、改めて感じたことがあります。
支援はもちろん大切ですが、それが“顔の見える関係性”になることで、より深い感謝の気持ちや信頼が生まれ、温かい循環を作り出せるんだなと実感しました。
私自身も、このプロジェクトを通じて「お金の支援をしてくれる人」で終わるのではなく、子どもたちや職員のみなさまと直接会い、言葉を交わし、一緒に夢を描く時間をこれからも大切にしていきたいと強く思いました。
こうした活動ができているのもみなさまのご支援があってこそ。こうして進学の機会をサポートする取り組みを支えてくださる寄付者のみなさま、本当にありがとうございます。この感謝の気持ちを胸に、これからも現場に足を運び続けます!
最後に、本プロジェクトを支えてくださった 一般社団法人今井光郎文化道徳歴史教育研究会のみなさま、本年度もご支援くださりありがとうございました。
一般社団法人ゆめさぽ
代表理事 田中 れいか