report活動レポート

成人お祝い研修会におじゃましました|主催:大阪府、一般社団法人大阪市児童福祉施設連盟

こんにちは!
田中れいかです。

今回、大阪市内の児童養護施設や児童心理治療施設で生活している18歳の子たちに向けて、1時間のお話をさせていただく機会をいただきました。

私は、7歳から18歳までを施設で過ごしてきた当事者のひとりです。だからこそ、同じように施設で暮らす子たちと話すとき、どこか懐かしさや共通する空気感を感じます。

といっても、自分の話をすることがどれだけ意味があるのか正直わからないときもあります。

でも、過去の自分がそうだったように、「なんか似てる人がいる」「こういう人もいるんだ」と思えることが、ほんの少しでも未来の選択肢を広げるきっかけになるかもしれない、そんな気持ちでお話しさせていただきました。

アイスブレイクで、少しずつ心の距離を縮めて

この日は、朝からずっと座学中心のプログラムだったとのことで、ちょっとでもリラックスできるようにアイスブレイクからスタート。「身長順に並ぶ」「誕生日順に並ぶ」という、シンプルだけど身体と会話を動かすワークを入れました。

最初は戸惑っていた子たちも、いつの間にか笑顔が出てきて、声をかけ合って動き始めていて。

あの瞬間の場の空気が、私はとても好きでした。たったそれだけのことかもしれないけれど、「同じ場所にいる仲間なんだ」って思える時間は、きっと誰かの記憶に残ると思っています。

 

“講演”というより、一緒に考える時間に

1時間という限られた時間のなかで、何を伝えようか
——講演のたびに、実は毎回すごく悩みます。

けれど今回は、「伝える」というより「問いかける」スタイルで進めてみました。

「高校生活、どうだった?」
「施設で暮らしているからこそ得られたことって、何かあるかな?」

どれも、すぐに答えを出せる問いではなかったかもしれません。でも、最初にみんなで体を動かして笑ったアイスブレイクの時間があったおかげか、ポロポロと自分の言葉で話し始めてくれる子もいて。その姿を見て、すごくうれしくなりました。

私が大切にしている考えのひとつに、「答えは、その人の中にある」というものがあります。今回の時間が、自分の気持ちを言葉にしてもいいんだと思えるきっかけになっていたら、こんなにうれしいことはありません。

 

わたしから、今日出会ったみんなへ

正直に言うと、みんなの前に立つのは、今でも緊張します。「この話でよかったのかな…」って思うことも、実はたくさんあります。

でも、この日のみんなの表情や、目を合わせてくれた瞬間が、私にとっては大きな励みになりました。

これから施設を出て生活をするなかで、自分にしかわからない不安や、誰にも言えないモヤモヤがあると思います。でも、大丈夫。みんなの気持ちがちゃんと届く大人は、きっといます。

焦らなくていいし、立ち止まっても大丈夫。自分のペースで、自分の未来を歩いていってほしいです。

私もまだ、途中の道を歩いているひとり。
いつかどこかで、また笑い合える日が来るのを楽しみにしてます◎


田中れいか

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